小学校訪問
こんにちは。
コスタリカでは一般的に初等教育が6年間、高等教育が5年間の計11年間の義務教育が行われています。
ちなみに私は高等教育の4年目にあたる学年に所属しています。
日本では小学校を卒業した後には中学校に入学するように、
コスタリカでも初等教育を終えると高等教育の行われる学校に新たに入ります。
そんなわけで私が通っている高校にも毎年何人もの新入生が入ってくるわけです。
というわけで今日から来年度の新入生のために、私の学校は出張説明会のようなことを始めました。
先生が複数の小学校を訪れ、生徒達にプレゼンテーションをするというのが目的なのですが、
私の学校は留学団体と連携して各国の留学生を積極的に受け入れている高校なので、もちろんそのことも積極的にアピールしているのです。
というわけで留学生の私も先生達に同行して、留学団体の概要を説明したり、日本についてのプレゼンテーションを行いました。
今日はそれをレポートするという流れで書いていきたいと思います。
今日は来年度新入生の12歳程の生徒達を相手に説明が行われました。一クラスに約20人程の生徒が割り振られて、担任の先生が必ず教室にはいらっしゃいました。
私が小学校に入った午前10時頃はちょうど生徒の休み時間だったのですが、
多くの生徒が廊下を走り回って鬼ごっこをしたり、大縄をしたり、それはそれは活気溢れる休み時間でした。
そして休み時間が終わり、生徒はベルに合わせて着席するのですが、着席は非常に速やかでした。規律は守られているようです。
以前記事に書いたことがあったのですが、コスタリカでは日本人をはじめとするアジア人は、基本的にすべて中国人だと思われています。
また基本的にコスタリカ人の中国人のイメージはあまり良いものではありません。
ですので私が教室に入った時の生徒達のリアクションはあまり良いものではありませんでした。
クスクスと私を見て笑っている生徒もいましたし、直接攻撃的な表現で攻撃してくる生徒もいました。
しかし私が自己紹介で日本人あること、日本と中国の違いについて説明を加えると生徒の態度は一変しました。
先程までのアウェーな雰囲気は消え去り、全ての生徒が私のプレゼンテーションを目を輝かせて聞いているのです。
私は日本国旗や着物などの割と視覚的に分かりやすく楽しめるような物を用いて発表したのですが、それらも非常に好評でした。
着物に関しては、多くの生徒が「来たい!」と主張してきました。
そして日本に関しての質問、日本語で名前を書いて欲しいなどの個人的な要望も山ほどありました。
今日は5つのクラスで5回のプレゼンテーションを行ったのですが、すべてこのような流れでした。
最初はアウェーな雰囲気が漂うのですが、その後にそれがなかったのように熱烈な祝福を受けるという感じです。教室を出る時にはほとんどの生徒達が見送りに来てくれる程でした。
そんなプレゼンテーションだったのですが、生徒の対応や言動を見ていると、そこに日本人としての私が今日までコスタリカの人から受けてきた扱いがありありと表れていました。
最初はあまり興味を示してくれる人は残念ながらいつも少ないです。
しかし、自分の留学生という立場や日本人であることを明かすと少しずつ扱いは変わってきます。
小学生だから好奇心が旺盛だったのでしょうか。今日はその扱いの変わりようが物凄かったです。私が説明したこともすんなりと受け入れ、理解してくれました。
"話せばわかる"とよく言われたりするものです。実際のところ今まで私はそれに対しては懐疑的だったのですが、今日はそれについて見直すきっかけができたような日でした。
時間やコストなどの多くを犠牲に払ってでも、直接対話をすることで少しずつ状況は変わっていくものだと思います。
少なくとも違う言語で日本のことを紹介したり、アウェーな雰囲気で発表することには負担が伴うと思います。
ですがそれを負担したことで、今日はたった5クラス、合計100人程の生徒が日本に対して理解を深めてくれました。
本当に小さい一歩ではありましたが、私達を取り巻く状況は変わったと言えます。
一留学生としてこのような努力は怠らずに続けたいと思った1日でした。
今日は以上です。
ありがとうございました。