コスタリカと私

コスタリカって?と思う全ての人へ。

英語のテスト

こんにちは。今日もはりきって行きたいと思います!


今日は英語のテストがあったのですが、そのテストというのが、いとあさましきものであったのです(意外なことに驚きあきれる、の意)。それはもう、日本にいたら考えられないようなことの連続でした。その一部始終を紹介したいとも思います。


事の発端はまず授業中から始まります。今学期のテーマはコスタリカの祝日。なかなか面白そうだ、とは思ったものの、私は大した期待はしていませんでした。というのは周りの取り組み方や扱う教材などからその授業の内容がどのようなものか予測がついたからです。


授業内容は座学の他に、プレゼンテーションがありました。残念なことに私は平日に留学団体の旅行が重なったりして制作には携われなかったませんでしたが、その内容は数あるコスタリカの休日の中から一つ選んで、それを英語で説明するというものです。しかし、私の教室の中にはほとんど英語を理解して話す事のできる人がいません。こんな無理難題を突きつけられて生徒はどうするか思いましたが、なんと生徒たちはインターネットの自動翻訳機能を使い、それをコピーペーストしてそのまま資料にしたのです。先生もそれに関してなにも言及しません。それらは当然文法的に間違っているし、わかることはわかるのですが、伝えるためのプレゼンテーションとは到底言えないだろうというものでした。画面に表示される英文をそのまま読み上げることを指示され、生徒は正しい発音ができず、プレゼンテーションは全く円滑に進まず、ほとんど誰も耳を傾けようとはしませんでした。


テスト当日はそのほぼ情報の書かれていない資料の持ち込みが可能でした。私はテストがはじまってもそれに頼らず問題を解き進ました。するとなんだか周りがざわざわとし始めます。その原因は、プレゼンテーションの資料中にない休日に関する問題が出題されているということでした。しかし授業中に全ての休日について説明はされていたのです。ざわざわとする中、完全に自己責任ではないかと思いつつ私は問題を解き進めます。


すると、前に座っている生徒がやけに自分の方を振り返ってくることに気がつきました。私の答案を写しているのです。さらに注意を払うと携帯まで使用しているようでした。ついには「この問題の答えはどれだ」と聞いてくるまでになりました。私は驚きあきれましたが、気にかけるだけ無駄だと考え、無視して問題を解き進めました。


そして長文問題にさしかかりますが、その問題の記事の語彙のレベルが、明らかに生徒の能力にそぐわないのです。私が日本の高校で使っていていた教科書と同じかそれより難しいものを、前に述べたような能力しか持っていない生徒に使わせているのです。そこにどういう意図があるのか教育する側に質問してみたいと思いながら、さらに私は問題を解き進めます。



そこで冗談まじりだったのかわかりませんが、1人の生徒が監督の先生に、この祝日は何月何日なのかと尋ねました。冗談だとしても大して面白くもないな、なんて思っていた次の瞬間、監督の先生がそれに答えたのです。驚いたというか、意味がわかりませんでした。わざわざ学校にきて80分もテストを受けているのに、こんなことってあるのか?と真剣に思いました。その後も次々に質問が続き、先生は的確にそれに答え、その答えを教室中が共有していきました。彼らはついにテストの目的まで見失ってしまったのでしょうか?


そんなこんなでテストは終わったのですが、このように目的を見失ってまでわざわざテストを受けに来る必要が彼らにあったのだろうか、と思います。少なくとも教室には自力でやろうとしていた生徒もいたはずです。今回のようなことが起こるとつくべき差がつかない。するとテストの点数だけに視線が集められ、評価されるべき人が評価されない。ただの迷惑だった人達が今になんの価値もないテストの答案をもらって喜んでいる姿を想像するだけでも腹立たしく、自力でやった人を思うと悲しいです。


勉強もテストも億劫だ、やる意味がないなどと言う人がいますが、そういう人たちはなぜ学校に来るのでしょう。それもわざわざ一日のほとんどを使ってです。それが自分には全く理解できません。


この学校に限らず、社会でも同じようなことは起こっているのだと思います。テストの点数などのようなわかりやすい数値や可視的な部分にはどうしても注目しすぎる傾向は実際にあると思います。そこで重要なのがそれにとらわれない事です。いかに自立して自分の正しさに基づいて行動していくのか。他人と違うことをすることは孤独で時に心細く、攻撃の対象になることさえあります。ですが、誰もやらないことにこそ価値があるのです。そういう人々に注目するべきだと私は思いますし、今回の出来事がきっかけでその思いは一層強まりました。そういう人々を応援できる人になりたいと思いました。



今回は以上です。どうもありがとうございました!