丁寧表現
こんにちは。
英語には敬語が存在しない。
なんて聞いたことがあるでしょうか。
実はスペイン語にも日本語の敬語に当たるようなものがありません。
ただし、目上の人、初めて会う人にもなれなれしく話せるかと言われればそうではないです。
きちんと注意をして話さなければ人間関係は保たれません。
コスタリカ人は親しい間柄でなければ、話し方、相槌の打ち方に気を使う傾向にあるようです。
例えば、今日私の受け入れ家庭のお母さんがスーパーで顔見知りの知り合いの方と話していた時に上記のような話し方が見受けられました。
まず、お互いが挨拶をするのですが、「相手に調子はどうですか?」聞くだけではなく、その人の息子や両親は今どうであるか、というようなことを聞いていました。
これは、相手への配慮でしょう。確かに自分の家族のことを聞かれると、自分に対して注意が払われていると思う人も多いと思います。
そして話は続くのですが、非常に丁寧かつ巧みにコミュニケーションを取っていきます。
かいつまんで言うと、話す時に話し、聞く時には聞くのです。
これが徹底されています。
話す時に話すというのは、相手から何かの質問が来た時は、自分の意見や見解を交えたり、自分の家族が今どうであるかということを、これでもかというほど話すということです。
私としてはうっとうしいくらいなのですが、会話の中ではこれの連続です。
ここで考えてみてください。
このように一方が話しに話しているという状態が保たれるには聞き手が必要です。
このようなコミュニケーションが成り立っているコスタリカにおいては、常に聞き手がいるということです。
これが聞く時には聞くということです。
聞くテクニックはなかなかのものです。相槌を大きくうったり、質問を付け加えたりと、巧妙な技術を駆使しながらコミュニケーションが行われます。
観点を変えると、自分のターンに持ち込むために、相手を見計らっているとも推測できます。
例えば今日は、スーパーでお母さんとその知人が話していると、にわか雨が降ってきたのですが、
「にわか雨が降ってきましたね!」
とお母さんが言うと、
「ああ、傘を持ってきませんでした…」
とその知人が返しました。
するとお母さんが、お気の毒に、などと言って相手にあわれみの気持ちを見せます。
すると知人がいい気になって、「にわか雨は予測できないが、雨のあとは涼しくて…」なんという自分の感想を交えた話を始めます。
そこでお母さんはその話に相槌を打ちまくります。するとそのうちに自分のターンがくるのです。
そこではしゃべりまくりです。相手は聞くことに集中します。
このように、慣れない間柄でも注意を払いながら探り合うコミュニケーションが行われています。
注意しながら探り合う。
これがコスタリカ流のコミュニケーション、丁寧表現ではないかと考えます。
みなさんも取り入れてみてはどうでしょうか?
今日は以上です。
ありがとうございました。